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12/1 F/T13: forced entertaiment 『the coming storm ―嵐が来た』
http://www.festival-tokyo.jp/13/program/13/the_coming_storm/
http://www.forcedentertainment.com/
6人の役者が喋る、本当なのかデタラメなのかわからない語りでいっぱいの2時間。
話の主導権を握ろうとして、彼らは1つのマイクを奪い合う。話の途中で遮ったり、茶々を入れたり、宥めすかせたりしながら、彼・彼女は何か話をしようとする。6人の間を慌ただしくマイクが行きかう。
彼らのおしゃべりは脈絡がないし、意味が内容に見える。おもむくままにおしゃべりをしている感じ。「即時的で、自伝的で、不条理で、毎日の現実と同じように繰り広げる」
明確なストーリーを持たない=方向性がない
点在する物語ともいえない何か。断片的?
点と点とつなぎ合わせる遊びみたいに想像で補完する。紡がれる形作られる。
中年の役者6人がめまぐるしく喋ったり、楽器を奏でたり、着替えたり、ダンスしたりするそのばかばかしさ。なんのてらいも恥じらいもなく、そこにいることができることの上手さ素晴らしさ。
ふとリチャードが母の死について語るとき、女が怒る「死とか瀕死の患者とか、そういった類の話はしないって約束したでしょ!」
真剣に起こる彼女。おびえ、不安から来るいかり?
物語が動き出すのでは、引っ掛かりが出来るのではと思わせるシーンだが、その後は何もなかったようにバカ騒ぎが切り返される。
ラストシーン、嵐の名残りの静けさのように、女が一人残って静かな中でピアノを弾く。メロディーは途切れ途切れぽつぽつと、甘く切ない。
妙に心に残る。バカ騒ぎやパーティー祭りの後の名残り、あのせつなさとかこころもとなさ?かなしさのようにぼんやりと残る。ただ自分がよく感じるすわりの悪さとか気まずさ後悔みたいなものは感じなくて、ただただ切ない。終わってしまった。彼らは私の胸に小さく口笛や笑い、しゃべる声と共に足跡を残して去っていく。